2025/7/27 年間第17主日 Youtube配信ミサ、お説教

[7月27日/年間第17主日]


 [Youtube配信ミサ]
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[お説教]

「イエスはある所で祈っておられた。」主イエスとともにエルサレムへの道、死と復活への道を歩んでいる私たちは、今日、主とともに祈るように招かれています。日々祈り続けるよう励まされています。そして、主は私たちに、一つの祈りを教えてくださいます。もう一つの「主の祈り」です。私たちは教会で、ともに祈る時、マタイ福音書で示されている主の祈りをとなえます。しかし、ルカが伝える祈りをとなえてはいけないということではありません。主の祈りとして唱えることができます。特に個人の祈りとして、自由にとなえることができます。

ルカが伝える主の祈りは、「父よ」という呼びかけで始まります。私たちは、主イエスご自身が祈られる時と同じく、「父よ」と呼びかけて、祈り始めてよいのです。「父よ」という言葉は、「私たちを愛してくださる方よ、私たちが愛している方よ」という意味です。神に「父よ」と語りかける時、私たちは、神の子として、神の愛に包まれて祈っていることになります。私たちに対する神の愛に応えていることになります。神の愛に応えて、私たちも、互いに愛し合いたいと願うことになります。「父」という言葉を口にしたくない人は、他の言葉でもかまいません。自分を大切にしてくれる人、自分が大切に思っている人を表す言葉ならば、その言葉を使って呼びかけたら良いと思います。

そして、「御名が崇められますように」という言葉が続きます。神の御名とは、神がどのような方であるかを表すものです。神は、すべての人とともにおられる方です。すべてのいのちとともに生きておられる方です。いつでも、どこでも、愛であられ続ける方です。私たちは、神の、こうしたあり方が崇められますよう祈ります。そして、この祈りをささげる時、私たちは、地上のすべてものが聖なるものであることを思い起こします。神が大切にされる、すべてのいのちは、聖なるいのちなのです。神がおられる時間と空間は、聖なる時と所なのです。

この後に、「御国が来ますように」という祈りがささげられます。今、この地上では、さまざまな暴力によって、多くのいのちが傷つき、生きる喜びを、生きること自体を奪われています。すべてのいのちが、平和に生きるための時間と空間が、強欲な者たちによって奪われています。強欲な者たちは、自分たちの暴力を、秩序の維持、国益の名のもとに、正義であると主張しています。そして、苦しめられている人びとの、生きるための抵抗をテロや暴力と決めつけています。「御国が来ますように」という祈りは、こうした現実にしっかりと向き合って、ささげる祈りなのではないでしょうか。そして、すべてのいのちが生きる喜びを感じる時間と空間が、この地上に来ることを、心から願う祈りではないでしょうか。私たちが、あらゆる暴力から解放されることを願う祈りではないでしょうか。

神の国が来るために、私たちも、日々働かなくてはなりません。暴力によって、まわりの人を自分の思い通りにするのではなく、愛によって、ともに生きていくようにしなければなりません。やりたくないことでも、しなければならない時があります。聞きたくないことに、耳を傾けなければならない時があります。行きたくない所にも、行かなければならない時があります。大切にしていたものを、思いきって、手放さなければならない時もあります。こうした働きのために、日々の糧が必要です。だから、私たちは、「わたしたちに必要な糧を毎日与えてください」と祈ります。この祈りをささげることによって、私たちは、日々の糧が神から与えられていることを忘れず、感謝を怠りません。そして、神から与えられる糧を皆で分かち合うことができます。神の国が来ることを願って分かち合う糧が、神の国が来ていることを体験させる糧になります。神の国のために働く時、神の国が来ていることになります。

そして、主イエスは、私たちに、「赦し」を願うよう励まされます。神の赦しとは、今日の第二朗読の使徒パウロの言葉で表すならば、「神はキリストと共に生かしてくださった」ということです。赦しとは、「罪に死んでいた」私たちが生かされるということです。そして、私たちも、互いに赦し合うよう励まされています。私たちは、神の赦しによって与えられたいのちを分かち合うことで、ともに生きていくことができます。赦し合うことなど不可能だという「誘惑に遇わせないでください」と祈りながら、赦し、赦し合いという希望を抱いて歩んでいくことができます。今週も、主の祈りをささげながら、希望の巡礼者の歩みを続けていきたいと思います。神の国を目指す希望の巡礼者の歩みこそ、神の国が来ていることの証しとなるのです。

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