私たちは今日、「インマヌエル」という福音を分かち合っています。
待降節と降誕節は、この福音を分かち合い、宣べ伝える時であると言えます。
「インマヌエル」という言葉は、「我々と共に」という意味の「インマヌ」と、「神」を意味する「エル」という言葉からなっています。ですから、「インマヌエル」という言葉は、さまざまな意味を持っているということができます。
「神は、私たちと共におられた」と意味で捉えれば、神は私たちと共におられたという、私たちの救いの歴史を感謝し、賛美する言葉となります。
「神は、今、私たちと共におられる」という意味に取れば、私たちは救われているという、救いの宣言、喜びの宣言となります。「神は、私たちすべてのいのちと共におられるようになる」という意味を見い出す時、この言葉は、希望の福音となります。
希望の巡礼者である私たちの福音となります。
そして、「神が、私たちと共にいてくださいますように」という祈りの言葉にもなります。私たちが、苦難の時に叫ぶ祈りとなります。
苦難に満ちた世界に生きている私たちは、神が共におられることを忘れてしまいます。神が共に苦しみ、悲しんでおられることを信じることができなくなります。神が共に生きてくださっていることを否定してしまいます。
しかし、神は、私たちから、すべてのいのちから離れることはなさいません。離れることは、決しておできにならないのです。
「インマヌエル」とは、神が、すべてのいのちと約束されたことであり、この約束を、神は破ることがおできにならないのです。
私たち人間は、何度でも、約束を破ることができますが、神は、決して、おできにならないのです。ですから、私たちの祈りは、「私たちが、神が共におられることを忘れませんように」という祈り、「私たちの信仰を支えてください」という意味の祈りになると言えます。私たちは皆、救われていますが、救いを受け入れることができないのです。だから、祈りが必要なのです。
さらに、「インマヌエル」という救いを信じることで、今まであたりまえだったことに、疑問を持たなければならなくなります。今までの生き方を変えなければならなくなります。今日の福音に登場するヨセフは、この経験をしました。結婚前に身ごもったマリアと縁を切ることは、当時の社会であたりまえのことでした。しかし、「インマヌエル」の実現のために、マリアを自分のパートナーとして受け入れるよう求められたのです。
社会の常識に反することを行うように求められたのです。
マリアは、「聖霊によって身ごもってい」ました。聖霊こそ、「インマヌエル」です。
聖霊は、人間の思いを超えて、神の救いをもたらすのです。私たちの考えや生き方を変えることで、私たちを救うのです。ですから、私たちは、「神が共におられることで、私たちの生き方が変えられますように」と祈るように励まされているのです。
「私たちが変えられていく時、神が共におられるという喜びをお与えください」と祈るように励まされているのです。
私たちは、希望の巡礼を歩みながら、主の降誕を迎えます。今、救い主イエスは、弱く、小さいいのちの姿で、マリアの胎内におられます。私たち、すべてのいのちを包み込む、無限大の愛を、この世界にもたらすために、無限小のいのちとなっておられます。
この地球上に生きる、一つ一つのいのちが、かけがえのない存在であることを示すために、小さないのちである「インマヌエル」が、私たちのところに、もうすぐ来られます。分数の分子が、小さな数でも、分母が無限に小さくなり、ゼロに限りなく近づけば、その分数の値は無限大になります。このように、すべてのいのちの価値を無限大にする、無限小のいのちこそ、「インマヌエル」である御子の愛です。
希望の巡礼者である私たちは、この無限小のいのちに込められた無限の愛を証ししていきたいと思います。
見えないほどの小さないのちこそ、大きな希望であると宣言しながら、歩み続けたいと思います。
「インマヌエル」という希望の福音を宣べ伝えていきたいと思います。
12月21日/待降節第4主日
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