2月15日/年間第6主日

[説教] 

私たちは今、天の国の福音を分かち合っています。そして、この福音を、それぞれが生きているところで、宣べ伝えます。すべての人が、天の国に招かれています。天の国で、生きるよう招かれています。 


主イエスは今日、私たちに仰せになります。 


「言っておくが、あなたがたの義が律法学者やファリサイ派の人々の義にまさっていなければ、あなたがたは決して天の国に入ることはできない。」 


律法学者やファリサイ派の義とは、どのような義でしょうか。それは、神の掟を守る者だけが救われるという義です。掟を守れない者を、救いから排除することで成り立つ義です。 


では、私たちが信じている福音の義とは、何でしょうか。福音の義とは、すべての人が救われることで成り立つ義です。皆が、ともに救われるという義です。ですから、もし自分だけの救いを望む者は、義とされることはないのです。皆の救いを求める者だけが、天の国に入ることができるのです。 


今日の福音で、厳しい掟が与えられています。姉妹兄弟を傷つけなくても、「腹を立てる」だけで、神の掟を守っていないと判断されるのです。性欲を持つだけで罪人とされることがあるのです。私たちはだれでも、人間である限り、感情と基本的な欲求を持っています。そう考える時、私たちはだれも、こうした掟を守ることができません。 


だから、主から与えらた掟など守らなくても良いということではありません。私たちは、守りたいという望みを持ち続けたいと思います。自分が掟を守れるかどうかだけに関心を持つことは、自分のことだけを考えるということです。私たちが考えなければならないことは、どうしたら、皆がともに、掟を守れるようになるかということです。天の国では、皆が支え合って、掟を守るのです。天の国は、少数の者だけでは成り立ちません。皆が入らなければ、決して完成しないのです。 


腹を立てないようになるために、私たちは、なぜ腹を立てることがあるのかを振り返ることが必要だと思います。暴力や不正に腹を立てることは、正しいことです。この場合、暴力や不正をなくすことで、だれも腹を立てなくてもよいようにすることが、掟を守ることになります。時として、腹を立てることよりも、腹を立てさせることの方が、はるかに罪深いのです。今、この世界では、あまりにも多くの、腹立たしいことが起こっています。世界で起こっていることに関心を持たなければ、腹が立つこともなくなるでしょう。しかし、無関心であることは、腹を立てること以上に罪深いのです。振り返りたいと思います。何に、だれに、なぜ腹を立てたのか。自分が腹を立てることで、だれが傷ついたのか。腹を立てることで、だれが励まされたのか。 


そして、私たちは今日、「姦淫するな」という掟を与えられています。私たちは、性別に関係なく、だれかを、自分の欲望の対象とする時、姦淫の罪を犯していることになります。だれかを自分のモノとしたいという思い、自分の思い通りにしようとする思いが、「みだらな思い」なのです。自分の目の前にいる人を、心から大切にしたいと思う時、その人の本当の幸せを願う時、みだらな思いが起こることはありません。私たちは、姦淫やみだらな思いが悪いということを知っています。そして、互いに、人間として、尊重し合い、大切にし合いたいと願っています。しかし、この世界は、私たちの欲望を大きくするモノ、情報にあふれています。だれかをモノのように扱わなければ、生き残ることはできないという状況に置かれている人が多くいます。こうした世界にあって、私たちキリスト信者は、互いに大切し合い、尊重し合うことの喜びを証しするよう励まされています。みだらな思いから解放されて、互いに大切にし合う心を持てる時が、天の国が実現している時なのです。それが、一瞬としか言えないほどの短い時間であっても、そこにはたしかに、天の国が来ているのです。 


最後に、主イエスは、「一切誓いを立ててはならない」と言っておられます。私たちは今、自分の思いで誓いを立てることよりも、神のみ旨を尋ね求めたいと思います。神のみ旨を知ったならば、「然り」と、あなたのみ旨通りになりますようにと祈りたいと思います。そして、み旨に反することに、「否」と言える勇気と知恵を祈り求めたいと思います。この世の知恵ではなく、使徒パウロががはっきりと述べている「神の知恵」を願い求めたいと思います。愛そのものである十字架によって示される、神の知恵に導かれて、今日、神のみ旨に従って生きることができなくても、明日は、み旨に従うことができますようにと、謙虚に祈り続けたいと思います。謙虚に祈り続けることこそが、天の国の義なのです。 


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