2025/6/8 聖霊降臨の主日 お説教

 〔6月8日/聖霊降臨の主日〕


今日は、復活節の最終日です。私たちは、この復活節を通して、復活されたキリストから、多くの恵みをいただきました。主イエスが復活して、今、生きておられるという福音を体験しました。皆で分かち合いました。そして今、教会の中で分かち合っている福音を、世界の中で宣べ伝える時が来たのです。聖霊降臨は、教会の誕生の日でもあります。この世界の中で誕生した教会は、この世界の中で生きていくのです。福音宣教という生命活動を続けていくのです。教会は、建物や組織ではありません。こうして、主のみ名によって集まっている、私たちなのです。私たちが、福音を宣べ伝えるのです。

福音宣教は、教会の生命活動です。生命活動には、いのちが必要です。聖霊といういのちが必要です。使徒言行録は、「一つになって集まっている」弟子たちの姿を伝えています。聖霊は、皆で分かち合ういのちなのです。一つになって集まって、願い求めないと与えられない、一つのいのちなのです。この一つのいのちを分かち合うことこそ、すでに、福音宣教そのものなのです。いのちは、争って、取り合うものではなく、分かち合うものであるという福音なのです。争いばかりを繰り返している、この世界に、今最も伝えなければならない福音なのです。

「聖霊に満たされ」ると、私たちは、福音を語るようになります。語る言葉は異なっても、表現の仕方は違っても、「神の偉大な業を語っている」人はだれでも、福音を宣べ伝えていることになります。だれが語っているかという問いではなく、何が語られているかという問いが、大切なのです。さらに、福音は、真剣に聞く人がいる限り、必ず、広がっていきます。私たちは、まわりで語られている福音を、謙虚に聞いているでしょうか。聞こうとしているでしょうか。聞くことも、福音宣教です。むしろ、聞くことから、福音宣教が始まります。私たちは、まわりの人を通して、主から聞いた福音を語っているのです。まわりの人と福音のやりとりをする。これこそ、福音宣教という生命活動なのです。

ヨハネによる福音で、主イエスは、聖霊降臨について、次のように語っておられます。「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。」私たちは、主のことを大切にしています。だから、主の呼びかけに応えて、こうして集まっています。他に、やりたいこと、行きたいところがあっても、主に会うために、今、ここに、来ています。そして、主の言葉を心におさめ、主の言葉に従って、毎日を生きようとしています。そして、生きることができた時、私たちは、主に感謝をささげます。生きることができなかった時、「主よ、いつくしみを」と祈ります。こうしたことを繰り返すことが、主を愛し、主の言葉を守ることです。聖霊といういのちを受けた私たちの、私たち教会の生命活動なのです。ここで、私たちは、さまざまな理由で、教会という集まりに参加できない人のことを思い起こしたいと思います。思い起こして、祈りたいと思います。私たちが祈ることで、教会に来ることができない人も、離れていても、教会に加わることになります。教会の生命活動の中で生きることになります。祈りは、すべてを摂りこむ、教会の呼吸なのです。

そして、私たちが、こうした生活をしている時、神は、私たちを愛され、私たちとともに歩んでくださるのです。私たちが繰り返している、この愛といのちの体験こそが、聖霊降臨なのです。神がともに生きてくださることこそが、私たちの生命活動なのです。私たちが宣べ伝える福音なのです。私たちは、今日、聖霊降臨を祝っていますが、今日だけが、聖霊降臨を体験できる日だからではありません。聖霊降臨が、毎日の生活の中で、繰り返し起こっていることを思い起こすために、いのちの祝祭である復活節の最後に、この祭日を祝っているのです。

復活節が終わっても、聖霊降臨は続きます。聖霊降臨が続く時、福音に、心の耳が傾けられます。「弁護者」である聖霊が、主の福音を、「思い起こさせてくださ」り、私たちは、福音を守ることができます。福音に従って生きることを望みます。今、生きることができなくても、生きることができる日が来るという希望を持って歩みます。この、希望の歩みが、この世界に、希望をもたらします。この希望の福音を、聖霊に満たされて、ともに、宣べ伝えていきましょう。

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