12月28日/聖家族

[お説教] 

「聖家族」の祝日は、すべての家族が、神に愛されていることを祝う日です。聖家族とは、神に愛されている家族のことであり、すべての家族は神に愛されています。だから、すべての家族が、聖家族なのです。 


福音記者マタイは、救い主イエスが、いのちの危険を免れるために、ヨセフとマリアに守られて、エジプトに逃げなければならなかったことを伝えています。ヘロデは、すべてのいのちを救うために来られた方を殺そうとしたのです。いつの時代にも、必ずと言ってよいほど起こることですが、人間は、権力や富を得ると、まわりのいのちを犠牲にしても、自分が得たものを守ろうとします。富や権力が大きくなればなるほど、犠牲にするいのちを増やしていきます。今日の福音朗読では省略されていますが、聖家族がエジプトに逃れた後、ヘロデが、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺したと伝えられています。テロリストがいるかもしれないという理由で、何の罪もないいのちが殺されていきます。多くの聖家族の生活が破壊されます。その結果、憎しみなど抱いていなかった人たちの心に憎しみが生まれ、新たなテロリストが誕生します。すべての家族を愛しておられる神は今、私たちに、自分の利益を守るのではなく、すべてのいのちを守るように命じておられます。すべての家族の愛を守るように命じておられます。愛されている喜び、愛する喜びが守られている限り、テロリストが生まれることはないのです。聖家族から、テロリストが生まれることは、決してないのです。 


ヘロデは、聖家族を殺すことができませんでした。ヨセフは、寝ている時に、「起きて、幼子とその母を連れて」旅をするようにと告げられました。このお告げは、ヨセフにとって、神の愛の言葉でした。ヨセフは、神の愛を信じて、忠実に従いました。疑わず、反論せず、神から命じられたことを、すぐに実行しました。しかし、考えてみれば、「幼子とその母」とともに旅をすることは、大変な困難がともないます。住み慣れた土地を離れて、見知らぬ土地で生活をしなければならないことは、多くの場合、苦痛です。楽しい旅行ではないのです。生活をしなければならないのです。不安定な生活を強いられるのです。一所懸命に努力すれば、必ず報われる、とは言えないのが現実なのです。そして、今現在も、多くの聖家族が、困難な旅や不安定な生活を強いられているのです。すべての家族を愛しておられる神は、私たちに、まず、現代の聖家族の困難や苦労を理解する努力をするように求めておられるのです。私たちは、理解しようとしているでしょうか。物事を完全に理解することはできません。しかし、理解しようと努力することはできます。謙虚な気持ちになることはできます。理解しようとしていれば、優しくなれるはずです。自分のことを理解してほしいと思ってばかりいるから、まわりに優しくなれないのです。怒りがこみあげてくるのです。もっと、理解し合う努力をして、優しくなりましょう。優しくなっていくことから、すべてが始まるのです。優しい心でまわりを見る時、すべての家族が聖家族に見えるはずです。嬉しそうにしている家族を目にしたら、自然と笑顔になれるはずです。困難を抱えている家族のことを知ったら、涙が出てきて、祈りたくなるはずです。教会は、祈る人々の集まりです。祈る人とは、優しい心を持っている人なのです。 


聖年の歩みが、終わろうとしています。しかし、希望の巡礼者に歩みは終わりません。聖家族が、希望の巡礼者だからです。ヨセフは、どのような困難をも受け入れて、旅を続けました。希望があったからです。今日の、自分の苦労が、すべてのいのちのための、より良い未来につながるという希望があったからです。私たちも、救い主の家族と同じです。私たちは、希望があるから、祈り続けます。希望があるから、教会に集まっています。私たちがささげているミサは、希望の祭儀です。希望の祭儀では、希望の歌が歌われ、希望のみことばが分かち合われます。私たちがささげる祈りはすべて、希望の、力強い宣言です。私たちが分かち合うパンは、私たちの希望であるキリストのからだです。一つのパンを分かち合う私たちも、キリストのからだとなります。聖家族となります。そして、私たちは、この世界の中で、毎日の生活を通して、希望の福音を宣べ伝えるために派遣されます。私たちは、これからも、聖家族として、希望の巡礼を続けていきたいと思います。希望は、私たちを欺きません。


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